機材工
ご挨拶
表面処理とは金属、プラスチックス、セラミックス、ガラスなどの基材の表面に、金属、有機物、酸化物、化合物などの皮膜を形成させる技術のことです。表面処理の中に“めっき”があります。めっきは、電気化学的な作用により金属を基材上に析出させる方法の一つです。自動車部品、機械部品、電気・電子部品、装飾部品などに適用され、防錆性、耐摩耗性、電気伝導性、装飾性などの表面機能を基材に付与します。一般社団法人日本表面処理機材工業会(以下、機材工と称す)はこのようなめっき産業を支える「薬品」「設備」「環境設備」などの資機材を提供するメーカーの団体です。 今日の人類の発展は、石器や土器に代わり強度の高い金属を使うことによりもたらされました。しかし、鉄や銅などの有用な金属は自然環境では酸化あるいは硫化された状態で存在します。したがって、これらの金属を長きにわたって使用するためには酸化を防止する表面処理が必要でした。その方法の一つとして“めっき”がありました。紀元前1500年にはメソポタミア北部のアッシリアで鉄の防錆を目的として錫がめっきされました。また、青銅に対してアマルガム法による金めっきが行われました。752年に完成した奈良東大寺の大仏(盧舎那仏像)にも金めっきがされました。江戸時代末期にはオランダから電気めっきが伝来しました。19世紀になると電池や発電機が発明されて電気めっきの工業化が進み、種々の金属がめっきされるようになりました。19世紀から20世紀にかけてニッケルめっき、クロムめっき、無電解ニッケルめっきが開発され、さらに第二次世界大戦後はプラスチック上のめっき、絶縁基板上へのめっき技術が開発され自動車工業や電子工業などの幅広い分野に適用されました。 現在、電気めっきは、多層化や複合化などめっき薬品やめっき設備の改善によって機能向上やコスト低減をはかって適用分野をさらに拡大しています。一方で、めっきに伴って排出される排水に起因する河川や湖水の水質保全、土壌環境の保全、あるいは大気環境の保全などの課題に対して種々の環境規制が法制化されました。機材工では、規制対象となる物質を環境に流出させない「環境設備」、その物質を代替する「薬品」の開発には多くの実績がありますが、今でもさらなる環境の改善のため研究開発を行っています。最近、地球温暖化防止は世界的に関心が高くなっていますが、この影響を受けたと思われる台風や集中豪雨など自然災害の激甚化や、日本国に特有の地震災害によるめっき工場の被災によって、規制物質の自然界への流出を防止する必要が高まっています。めっき製品の機能を高めつつ、地球環境保全に寄与する技術を開発し普及させていくために、機材工の役割は重要になっています。 機材工は、委員会と部会を中心に事業を行っています。総務委員会は生産・販売統計調査、経営研修会などの研修会および講習会、および国および諸機関の施策の調査・普及を行っています。技術委員会は表面処理関連技術の調査・研究・普及と資機材取扱の安全対策を行っています。環境対策委員会は、環境基準に適合する環境技術の調査と普及、水と資源のリサイクル化の技術の調査と普及を行っています。国際委員会は海外視察団などを通して国際的に関係機関との交流および協力推進を行っています。情報委員会は機関誌を通して事業活動の普及および啓発、展示会への出展、技術手帳の発行を行っています。部会は設備部会、薬品部会、環境部会があって、それぞれの分野において統計調査および研修会を実施しています。設備部会では、さらに自然災害に強いめっき設備の研究を行っています。こうした機材工の活動は、一般社団法人表面技術協会、日本鍍金材料協同組合、全国鍍金工業組合連合会と連携をはかり、産学協同による表面処理技術の発展と普及を推進するために表面技術要素展/SURTECHにおいて共同で活動しています。
名称
一般社団法人 日本表面処理機材工業会
(英文名:Japan Surface Finishing Suppliers Association)
住所
〒103-0025
東京都中央区日本橋茅場町 2-13-8 (プレマビル2F)
TEL 03-3665-0981 FAX 03-3665-0983
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設立等
昭和52年 4月 1日
日本表面処理(めっき)機材工業協会設立
日本油脂性研磨材懇話会、表面処理電源会、めっき排水処理工業会、表面処理薬品工業会、表面処理設備工業会が大同団結
平成 7年 3月 1日
社団法人 日本表面処理機材工業会の認可
平成 7年 3月 1日
日本表面処理機材工業協会(機材協)の定款を変更し、社団法人 日本表面処理機材工業会に名称変更にともない機材協の権利及び義務を包括的に継承
平成23年10月 1日
事務所を茅場町へ移転
平成26年 4月 1日
一般社団法人日本表面処理機材工業会へ移行
役員
会 長 後藤 邦之(株式会社中央製作所 代表取締役社長)
副会長 中川 武(中川化学装置株式会社 代表取締役社長)
副会長 山本 渡(株式会社山本鍍金試験器 代表取締役)
組織
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会員数
92社 ( 正会員 60社、特別賛助会員 12社、普通賛助会員 20社 )
事業
(1)表面処理資機材に関する生産、流通等の調査研究
(2)表面処理資機材に関する技術の調査研究
(3)表面処理資機材に関する環境保全のための技術開発及び普及
(4)表面処理資機材に関する標準化及び規格化の推進
(5)表面処理資機材に関する普及及び啓発
(6)表面処理資機材に関する情報の収集及び提供
(7)表面処理資機材に関する内外関係機関等との交流及び協力
(8)前各号に掲げるもののほか、本会の目的を達成するために必要な事業
予算額
3,300 万円 ( 2024年度(令和6年度)) : 一般会計予算 )
情報公開
(1)定款(pdf)
(2)役員名簿(pdf)
(3)会員名簿
(4)事業報告書(pdf)
(5)収支計算書(pdf)
(6)正味財産増減計算書(pdf)
(7)貸借対照表(pdf)
(8)財産目録(pdf)
(9)事業計画書(pdf)
(10)収支予算書(pdf)
「国と特に密接な関係がある」特例民法法人への該当性について(pdf)
→入会のご案内